冬の万座温泉にようこそ〜スノーシューのすすめ


万座温泉の草薙カラマツ〔ロールオーバーは大いなる母の木(ショハーの木)〕


◇◆ 万座温泉でスノーシュー ◆◇

嬬恋村最後の秘境?万座温泉で、いよいよ公にスノーシューができることになりました。しかし万座温泉は危険な硫化水素ガスが発生している地帯であるため、本来であれば地域の自然環境についてや硫化水素ガスの対策・安全講習を受けてから入山すべきです。

そのような背景を受けて、このたび、吾妻森林管理署がリーダーシップを取り、万座の類稀まれな天然カラマツ林(植物群落保護林)を保護啓蒙していく上で必要な人材を、「万座カラマツ天然林案内人養成講座」という形式で案内人として養成し、その講座修了者の案内の下で、万座カラマツ天然母樹林でスノーシューができるということになりました。万座温泉でスノーシューをされる方は、以下を厳重にお守りください

  1. 必ず「万座カラマツ天然林案内人養成講座」を終了した案内人同伴の下、入山すること(当会には、約20名の講座修了者がいます)。 (2009年は2月27日(金)に実施)
  2. 立ち入り禁止の場所に進入しないこと
  3. 入山、下山の際は必ず万座温泉観光協会(TEL/FAX0279-97-2152)に以下の書式にて届出を行うこと 。
    書式:
    万座カラマツ天然母樹林入山届出書(xlsファイル33kb)

このページでは、初回(平成20年1月22日)の講座の様子をご紹介します。

万座高原ホテル 浅間 田尻署長 湯田さんによるカラマツの説明

吾妻森林管理署 田尻明彦署長をはじめとして、嬬恋村観光商工課、万座温泉観光協会、環境省万座自然保護官事務所の方々が挨拶をした後、講座が始まりました。下谷通観光商工課長がとても美しい観光ビジョンをお話しくださったことが印象的でした。講義はまず、嬬恋村観光商工課熊川紀世彦様からの硫化水素ガスの性質や危険性についてや、過去の事故例等の詳しく説明があり、次に吾妻森林管理署湯田六男様からカラマツについての話、特に万座のカラマツはどのような歴史特徴を持っているか、…などのお話がありました。これが午前中の内容でした。

弦ヶ池前 仁王松の前で 湯田さん説明中

午後からは早速現地。待ってましたあ!インタープリターはやっぱり野外に出てなんぼでしょ。弦ヶ池の駐車場は広く、本コースの駐車場として十分に機能できます。コースに入って100m程で、いきなり迫力の仁王松。竹之内さんが早速登ってポーズ。撮影会になってしまいました!?

立入禁止の札を下げる これじゃあ解けちゃうよ カラマツに謎のサルノコシカケ

湯田様の案内でさらに中へ進みます。今回の制定も、湯田様の働きかけがとても大きかったのです。深く御礼申し上げます。少し歩くと白根沢に到着。ここから先の沢には入ってはいけません。硫化水素ガスは低いところに流れ、溜まる可能性があるからです(しかし実際には硫化水素ガスの検出はほとんど皆無です)。
こういうところに立ち入り禁止の札を参加者で取り付け、深い理解と責任感を持たせるのは上手なやり方です。先に吾妻森林管理署の方々でロープを張っておいてくださったのですが、このロープの結び方に当会の登山家・大島理事チェックが入りました。結びが甘いとのこと!
カラマツ生立木に生えていたこのキノコは、図鑑で調べてみましたが同定できませんでした。カラマツ生立木とは珍しい。しかし、伝五郎池付近のコメツガ樹洞にも似たようなものがあったような気がします。

こぶの木とハクサンシャクナゲ しなやぎカンバを眺める お気に入りの木、しなや樹

大きな瘤を持つカラマツには「こぶの木」という名がついています。目立って大きい木でもありませんが、地理的に把握するには良いポイントになります。裏側にあったハクサンシャクナゲには花芽がいっぱいついていました。
そしてとっておきの場所、しなや樹(ぎ)へ。しかしこのルートでは「しなやぎカンバ」という名前が付けられています。皆さん美しくしなやかな枝ぶりにしばらく見入っていました。先頭が出発したというのに、樹木フェチの人達がいつまでも残って感動を分かち合っていました。この樹のロケーションなら、無理もないことです。

また会おう、しなやぎよ 竹之内さん接写中 樹脂が傷を塞ぐ

「しなや樹」との別れを惜しみながら次のカラマツへ。この、名の無いカラマツは直径94cm。凍裂と思われる深い裂け目があり、そこに樹脂が充満し始めています。樹木が傷を塞いでいく経過を見せて差し上げるのにはいい樹です。そしてこの樹はあと20年は生き続けてくれるでしょうから、その時この裂け目はかなり塞がっていて、きっと今回の写真が役に立つことでしょう。

龍顔の松1 龍顔の松2 龍顔の松3

次はこの「龍顔の松」。この樹は幹がでこぼこしているので、直径はその外周となり130cmを記録している。どの枝が龍に見えるか解かりますか?
龍顔の枝の後ろにあった枝が面白いことになっていました。幹のように太く上に伸びた枝に向かって、後から主幹の後生枝が伸び、ぶつかってしまったのです。そしてそれは組織が癒合することなく、後のほうが枯れてしまいました。同じ樹なのに癒合しなかったのですね。

ゆったりとした坂道を下る マザーツリーの前で 荒っぽい枝打ち跡

そしてまた少し、カラマツ林の中を歩く。この巨木と巨木の間隔がちょうど良い距離で、気晴らしに歩くにはうってつけです。この樹は、「マザーツリー」という名を持っています。上を見上げると、かつて母樹林としてカラマツ球果を採種するために枝打ちをした跡がはっきりと解かります。昭和36年〜昭和50年の間にそう記録されていますが、実際にはもっと前から採種されています。幹は裂け目は広く深くなっており、アカマツのように見えます。印象的な一本です。

草薙カラマツ1 草薙カラマツ2 環天頂アーク

そしていよいよ、草薙カラマツへと向かいます。草薙カラマツはこの森の主であり、国内最大級のカラマツです。この樹のまとうオーラに触れると、誰もが思わず見とれ、固唾を飲み込んでしまいます。遥かなる歴史を有するこの巨木と対峙する時は、厳かにありたいものです。
その時、杉田さんが「ねえ上を見て、すごい虹よ!」と言いました。見上げるととても不思議な虹が頭上で弧を描いています。これは、環天頂アーク、または逆さ虹というそうです。…生まれて初めて見たかもしれません。私達は、草薙カラマツが奇跡を起こした様な不思議な感覚につつまれました。

大いなる母の木1 大いなる母の木2 大いなる母の木3

ナンバー2の戦国カラマツの下には、「大いなる母の木(ショハーの木)」があります。この樹は、この森の中で最も美しい樹幹を持つカラマツです。まあるく、まっすぐで、とても太い。竹之内さんが早速抱きついていました。名の由来は、昭和37年に万座のカラマツ母樹に逢いにドイツのショハー博士が、抱きつき感激の涙を流したというものです。この樹かどうかは定かではありませんが、この森を代表する美しい樹形のカラマツであるこの樹を、そう呼ぶことになったのです。この樹の人気もすごいもので、皆さんなかなか次の場所に移動しようとしませんでした。

ゆったりとした天然林 お名残惜しい 修了証を渡す田中さん、もらう杉田さん

たっぷりと天然カラマツ巨木林を満喫し、弦ヶ池へ向かいます。ここでは道路にいきなり出てしまうことになるので、通行車両に十分ご注意ください。
最後に、万座温泉観光協会から「万座天然カラマツ母樹林の案内人養成講座受講終了証」をもらって講座は終了しました。コースとしては、インタープリテーションと休憩を入れて150分位が妥当だと思います。
これでいよいよ、嬬恋で最も素晴らしいスノーシューコースの運用が始まりました。万座の森では、これから新たなストーリーが始まることでしょう。

2009年2月27日(金)万座天然カラマツ案内人養成講座の様子

2008年3月30日(日)万座カラマツ巨木林スノーシューツアーの様子

万座カラマツ天然母樹林入山届出書(xlsファイル33kb)

嬬恋村スノーシューコース、ガイド料金表

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