湯の丸山イワインチン保護増殖活動

黒岩隆吾氏を中心とした会員が嬬恋村政策推進課、観光商工課の協力を得て、湯の丸山山頂付近に生息するイワインチン群生地の保護活動を行なっています。平成17年度より、下刈り機や鎌により笹刈りを行ったほか、イワインチン群落地を人が踏み荒らさないように遊歩道の脇に杭とロープで柵を設置し、保護活動の第一歩を踏み出しました。9月の秋の作業の際、参加者たちはイワインチンはもちろんのこと、それ以外の植物の増加も感じていました。春に行なった笹刈りの影響でその後、他の植物種も発芽したものと思われます。

高山植物イワインチンは、湯の丸山以外でも池の平・篭ノ塔山などでいくらか観察できますが、湯の丸山山頂付近のような広い群生地は他になく、これは非常に珍しく財産価値の高いものです。しかし近年笹の繁茂が激しくなり、イワインチンを中心とした高山植物の弱勢が見られました。

このままにしておくと群生地がなくなる可能性もあり、私たちの手で守っていく必要があります。また笹刈りや柵を設置することによって他の高山植物も保護されます。今後も、村と協力し湯の丸山レンゲツツジ群落とともに自然資源として守り、観光資源として紹介していく予定です。また定期的(6月と9月)に保護活動を予定しています。

今年から保護作業の参加者も募集いたします。ご希望の方は以下までご連絡ください。(予定は決まり次第発表します。平成20年の作業日は6月7日と9月○日でした。これまでの募集要項はこちら

連絡先 〒377-1612 群馬県吾妻郡嬬恋村大前119 黒岩隆吾
      TEL0279-96-0036

【イワインチン Dendranthema rupestre  キク科キク属
<岩茵陳> 別名/イワヨモギ・インチンヨモギ
東北地方から南アルプスにかけて分布し、亜高山帯〜高山帯の日当たりのよい乾いた草地や岩礫地に生える多年草。高さは10〜25cm。葉茎はやや蜜に互生し、長さ2〜3cmで羽状に3〜5裂する。裂片は線形で幅1〜2mm。裏面は白い綿毛が密生して銀白色に見える。頭花は直径約4mmで散房状に密集してしてつく。総苞は広鐘形。総苞片は3列。小花はすべて黄色の筒状花で、周辺部が雌花、中心部は両性花。 花期:8〜9月 分布:日本固有
※山と渓谷社〔山渓カラー名鑑 日本の高山植物〕より