≪参加随行記≫
万座スノーシューツアー 巨大カラマツ天然母樹林を行く

「わ〜、でけぇ!」「これって、ほんとうにカラマツ?」‐‐初めて見る巨大なカラマツ群に、参加者たちはあ然とするばかり。
「群馬観光フェア2008」の一環として、嬬恋村インタープリター会主催の「万座ジャンボカラマツ林 スノーシューツアー」が3月30日、午前と午後の2回行われました。
このうち午前の部には、万座温泉の宿泊客や、マイカーで駆けつけた人など東京、神奈川、千葉、埼玉の各県や高崎市、前橋市の12人が参加。インタープリター会のメンバーで「万座カラマツ天然林案内人養成講座」修了者の赤坂好文さんと竹之内昭子さんがガイドを務めました。
建築家でもある赤坂さんは、仕事の現場から持参したという古いカラマツ材の板を、「これは約30年前に製材したものです。きっとこの母樹林から採種して育てた子どものカラマツだと思います」と、樹齢300年はあろうかと思われる「大いなる母の木(ショハーの木)」にそっと沿わせ、親子の対面を果たして参加者とともに感慨にふけっていました。
また、立ち枯れて樹皮が剥けたカラマツのところに参加者を案内し、「この木は幹が捻れながら成長していることがはっきりとわかるでしょ?」と語る。参加者から「建材として利用するのは難しい? 」との問いには、「樹脂を抜き乾燥させるなど製材の仕方によっては、先ほどの板のように利用できます。もっともコストがかかり過ぎますけどね」と、建築家としての専門知識を披露、参加者からは「なかなか勉強になった」との声も聞かれました。
午後のツアーには、草津から若い女性4人と、北軽井沢からクロスカントリースキーを履いた男性が一人参加。 ガイドは、万座の自然に詳しい、森林インストラクターで嬬恋村インタープリター会事務局長を務める木村道紘さん。
森林の中は今も1メートルから1メートル半ほども積雪があり、スノーシューで踏み入ること10分もしないうちに、いきなり直径1メートルほどもある巨大カラマツ(通称・仁王松)に遭遇。その根元近くの四方、八方から、直径5、60センチメートルはあろうかというような太い枝が自由気ままに伸びており、だれもが「これがカラマツ? 」と不審顔。これには「『「暴れカラマツ』とも言うべきDNAを持ったこのような木もあるんですね」と木村さん。
しばらくすると、これまた大人の腕で二抱えもありそうな真っ直ぐに30メートル近く伸びたカラマツに出会い、参加者はまたもビックリ。ガイドの木村さんは、「昭和30年代から50年代の記録によれば、真っ直ぐに伸びたこの木からは採種するために球果が盛んに採られたとあります。そのために枝打ちされた跡がいくつも見られるでしょ? だから、これは『マザーツリー』という名前を持っているんです」と語り、同じカラマツでも、性分の良い遺伝子を持ったもの、暴れん坊の遺伝子を持ったもの、人間と同様、様々あることを確認し合っていました。

このほか、極寒の森で立ったまま凍って裂ける「凍裂」の跡や、それを自分で分泌した樹脂で修復している「自然治癒力」のすごさ、さらには、落雷によって死んでしまったと思われる主幹の横から出た枝が、既に大木と呼ばれるに相応しい大きさに育っているという「生命力」の不可思議さなどを見学。だれもが自然の神秘を実感し、大満足の様子でした。そんな参加者にガイドの木村さんは、持参した篠笛をリュックから取り出して、「ふるさと」など3曲をプレゼント、お別れ前の感動のひとときを演出していました。
写真、文 山口イワヨシ
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