≪小学校長期自然体験活動指導者養成講座 事業実施報告≫
実施日:2009年11月8日 会場:嬬恋会館
この講座は、当会会員でもある大西貞弘講師(清泉小学校教諭)のご協力を得て、今年度3回実施することができた。神奈川県から何度も足を運んでくださり、厚く御礼申し上げる次第である。
今回も全体指導者養成研修(インタープリター養成講座)の、学校教育に関する4時間の講義部分だけを補助指導者研修として実施しているので、全体指導者養成研修の受講生が7名、補助指導者養成研修の受講者が4名、合わせて11名の受講生となった。
募集チラシはしかるべきところに配置したつもりであったのだが、補助指導者養成研修の受講者は相変わらず伸びない。やはり当地の住民数と、本事業の地域社会への浸透具合がイマイチであることが最大の原因であろうが、それでも、4日間のほうが拘束日程が長く、料金もずっと高いのに集客できている現状を見ると、自然案内人やインタープリターとしての資格をほしいとは思っていても、小学生を自然体験指導するための資格は、あまりほしいとは思っていない実態が見えてくる。これは、私達の農山村ならではの現象なのだろうか、それとも都会でもそうなのだろうか?
募集人数を、希望を持って50名と設定し、大会議室での講義を予定していたが、当日は人数に見合った小会議室に変更した。しかし、ちょうど良い広さであり、これまでで最も参加者との一体感を感じられた講座となった。大西講師も自分の子どもにはどうしているか、具体的な教育現場ではどうなっているか、そして自分自身はどうしたいのか…などを、これまでになく熱く語ってくださった。時間調節の上手な大西講師には珍しく今回は時間オーバー。その分、とても人間味を感じられたいい講座となった。
大西講師のお話の覚書の一部
- 家にテレビは置いていない。テレビは麻薬である。
- 新聞を読むと明るい未来が感じられない。
- 子どもは体験、学習の間に眠りが必要。眠って、頭の深いところに落ちたものだけが頭に残り、理解できる。
- テレビゲームは恐ろしい。友達の顔も見ないでテレビに向かって対戦して遊んで別れる。これが遊んだと言えるか?
- 田植えは、職業体験としてではなく、土を、たっぷり味わい体感するために行う。
- 蝶を怖がる子どもがいる。鱗粉や法則性の無い飛び方が怖いらしい。
- 人類はもっとみんなに平等に分け与えるべきである。足し算や掛け算はできるのにどうして割り算はできないのか。
- 人間は眠ると生まれ変わる。人間生命のルーツをたどって生まれ変わる。新鮮な自分になるから学べる。
ほかに、この事業を進めていくにあたって、
- 教室で学んだと同程度の効果があるのではダメ。それなら、危険を冒してまで子ども達を野外に連れ出す理由が無い。もっと大きな効果を期待する。
- 活動プログラムの一覧表の作成が急務ではないか。狙いとプログラムの相関関係が一目瞭然なものが好ましい。また、さらに実施できるインタープリター数と必要人員のことまで三次元的に作ることができたら、日本一親切な表ができるだろう。
- いっそ、このプロジェクトでは、親も巻き込んで一緒に呼んでしまってはどうか、そうすると、親子の会話が生まれる。帰ってからの話題の提供になる。
というように、さまざまな提案もしてくださった。大西講師は、第二の郷土として愛している嬬恋に、多くの子ども達が来てほしいと願い、そのための案を練ってくださっている。このような経験豊富な実践者が後方支援をしてくださっているのだから心強い。
午後一番には村長も激励に来てくださった。受講生も熱心にメモをとる方が多く、このような方々が活躍できる場所を、私達運営側も、いよいよ本格的に取組む時期がきたのだという自覚を新たにした。皆さんの熱い心意気、決して無駄にはしません。今後の当会の取組みにどうごご期待ください。
嬬恋村インタープリター会 事務局長 木村道紘
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