インタープリター・インストラクター養成講座

〜 夢を、夢で、終わらせない 〜

※CONEインストラクター認定事業

 

※この事業は終了しました。同様の講座は 浅間・吾妻エコツーリズム協会 で、

エコツアーガイド養成講座 として実施しています。

 

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8月のインタープリター養成講座の様子
 本講座は、すでに自然案内人・インタープリターとして活動をしている方々に対し、これからは依頼されて自然案内をするだけではなく、自ら自然体験イベントを企画立案、実施運営していくことのできる人材を養成する講座です。誰もがいつかは実施してみたいと夢見ている、感動に溢れた自然体験イベント。その夢を実現するためにはどんな過程と手法が必要なのでしょうか?あなたが大切に胸にしまっている思いを、夢を、私たちと一緒に形にしましょう。それが当会のインタープリター・インストラクター養成講座です。
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日 程 平成20年11月11日(火)〜13日(日) 午前8時45分から午後6時45分 雨天決行
会 場 環境省鹿沢インフォメーションセンター(http://www.kazawa.jp/) (宿泊ではなく、通いです。)
377-1412 群馬県吾妻郡嬬恋村大字田代鹿沢園地 TEL&FAX:0279-80-9119
対 象 浅間山麓、西吾妻の自然を愛する20歳以上の自然案内、野外活動に興味のある健康な男女で、インタープリターとしての知識を有し活動をしている方
募集人数 35名(先着順)
講師と
講座内容
11日 自然体験活動の理念と実践 2時間
 講師:穴澤剛行
野外活動における安全対策(短期講習) 5時間
 講師:日本赤十字社群馬支部
12日 インタープリテーション受託事業及び主催事業の基礎講座 2時間
 講師:大島義夫
森林環境教育 企画の手法 5時間
 講師:太田祥一
13日 体験プログラム考察1 「森林セラピー&ハーブクラフト」 2時間
 講師:木村道紘 櫻井幸枝
体験プログラム考察2 「古代へタイムスリップ」 2時間
 講師:SS、YO
嬬恋おもしろ近代史 2時間
 講師:下谷通
吾妻地域の木の家、現代の木の家の意味 2時間
 講師:SY
参加費 嬬恋村インタープリター会員¥9,000、非会員¥12,000
※キャンセル料は、一人¥3,000とします。差額から振込み手数料を差引いた分を銀行振り込みにて返金します。尚、申込み締切日以降のキャンセルは受付いたしません。
持ち物 各人の昼食(お弁当)、飲み物、筆記用具、動きやすい服装・靴
保 険 ボランティア保険に加入
申込方法 1.氏名、2.住所、3.性別、4.生年月日、5.電話番号、6.職業をご明記の上、FAXまたはEメールにて以下に申し込み、銀行口座に参加費をお振込みください。ご入金を確認後、当会より申し込み請書及び案内書を発送いたします。

申込先 〒377-1528 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣万座温泉2401 万座温泉日進舘内 嬬恋村インタープリター会事務局 木村道紘まで
TEL&FAX:0279-97-1216 携帯080-5655-3009 Eメールはこちら
銀行口座 群馬銀行嬬恋支店 普通預金口座 463369 名義 スミダ セツコ
申込〆切 平成20年11月4日(火)
主  催 嬬恋村インタープリター会
共  催 嬬恋村観光協会、オーライ!ニッポン会議
後  援 群馬県、嬬恋村
※インタープリター・インストラクター養成講座2008 詳細はこちらをご覧ください。


インタープリターインストラクター養成講座

事業報告書

【初日】

●開講式(15分間)

 ・会長よりあいさつ
 ・来賓、熊川栄村長よりご祝辞
 ・事務局、木村より本講座の位置づけの説明、事務連絡等

    

※今年は、熊川栄村長が直々に激励にお越しくださり、当地を案内するインタープリターへの熱い期待、そして今後の連携強化を強く約束してくださいました。誠にありがたく、深く御礼申し上げます。


●講座1.自然体験活動の理念と実践(2時間)

 講師: 穴澤剛行 (CONEトレーナー ふるさと自然塾代表 日本環境教育フォーラム自然学校マネージャーなど)

本講座の全責任、監修をしているCONEトレーナー。リーダー養成講座とは違うトレーナーに監修・指導をしていただくことで、受講生の新たな視界が開けるようにと期待している。大まかなレジュメは以下の通り。

 1.自然体験憲章の理解(ビデオ15分間)
 2.目的の共有化(受講者同士思いを知る)
 3.チューニング(自身の期待と場のすり合わせ)
 4.ゴールセッティング(何を持ち帰るか決める)

      

一番最初の講義は、受講生も運営側も講師も、非常に緊張している状態にある。自然体験憲章ビデオを見た後、簡単なゲームを用いアイスブレイク、さらにテーブルごとの小グループで自己紹介や話し合いをさせるなどして、参加者の心は打ち解けていく。簡単なようだが、実際こういうことはかなり慣れていないとできない。穴澤氏は若いトレーナーであるが長いキャリアと深い背骨を持つことが伺える。その後、導入活動のポイント、心を開くには、心を受け止めるには、子供の可能性を広げるには、参加者を見ること、聞くこと…など、受講生は自分にとって必要な何かを持ち帰ってくれたようだ。


●講座2.野外活動における安全対策(5時間)

 講師: 新保政春 (日本赤十字救急員指導員 アウトドアディレクター ぐんま環境教育ネットワーク理事など)

当会では、リーダー養成講座で消防署の指導による普通救命講習を受講し、インストラクター養成講座で実際の野外活動において起こりうる事故に対して有効な応急手当、救護技術などをみっちりやることにしている。日本赤十字支社群馬支部に依頼したところ、お昼をはさんだ変則的な講義時間であること、前橋付近から鹿沢インフォメーションセンターまでの距離が離れていることで、なかなか指導員が見つからなかった。ここで受けて立ってくださったのがトライアスロン系のアスリートとして第一線で活動してきた、叩き上げの人物・新保政春氏であった。

    

    

    

本講座受講生の中には、この安全対策の講義を最も期待していた人も多い。講義は新保氏の「なぜあなたは、心肺停止し倒れている目の前の人を助ける必要があるのですか?」という問いかけから始まった。一時的に場がシーンとし、参加者は自問自答する。たがて背筋を凛とさせ「よし、じゃあ技術を身につけて帰ってやろうじゃないか!」と、講師をさらに注目することになる。アドレナリンをうまく使った手法であるなと、後になって気づかされる。とにかく野外活動において新保氏の経験の豊富さには頭が下がる。時折、参加者が医者の領域に入っていこうとするとしっかり引き戻してもくれた。善意のボランティアの延長線上でできることのベストを尽くす。救護の心得の基本も確認することができた。


●自己紹介(30分間)

前回のリーダー養成講座で、参加者から、自己紹介時間が無いことが指摘され、もっともな意見なので今回は時間を取ることにした。企画段階ではこの時間の予定は無かったので、受講生に送付した請書には記載されていないのだが、急遽行うことによってどのような反応になるかも見たかった。

しかし今回の参加者は自己紹介実施のため終了時間がオーバーすることも快く承知してくれた(身内が多かったせいもある)。予定では15分くらいと宣言したのにみんな1分以上話をしたので、30分以上オーバーしてしまった。結論として、この講座には、自分を語りたい人が集まってくることが解かったので、今後は講座プログラム中に予め自己紹介時間を設けたいと思う。


【2日目】

●講座3.インタープリテーション受託事業及び主催事業の基礎講座(2時間)

  講師:YO (登山家 山岳倶楽部あすなろ会会長 どんぐり山の会代表など)

当会の受託事業采配を一手に引き受けているYO理事による講義。現在最も受託件数が多く、今後もしばらくは増えていく見込みの登山ガイド事業については、問い合わせや引き合いがあった時点で直ちに、依頼先の要望に応じた行程表をつくり送付する必要がある。安全登山のためには納得がいくまで何度でも下見を。そしてエスケープルートも想定した行程表にすること…など。その後、地図の読み方を学び例題により実際に行程表を作成。1/25,000地形図で1目盛り2分として計算し、登り+10%、下りは−20%で計算。実際には花を見たり山座同定するためにはかなり余裕を作らなくてはならないなど、当会で山ガイドをするためには必須の内容であり、これからの方にとっても非常に実践的な講義だと好評であった。

    

    


●講座4.森林環境教育 企画の手法(5時間)

 講師: 太田祥一 (群馬県で森林環境教育事業を立ち上げる。その後多文化共生支援室へ、日本環境教育フォーラム会員など)

講師の太田祥一会員には嬬恋村出身の親族がいらっしゃる。「縁のある嬬恋村でインタープリターを指導育成しようとしているのなら、ぜひ今まで企画分野で自分が培ってきたノウハウを提供したい、私にも協力させてほしい…」と、2007年のフォローアップ講座から当会講師を務めてくださっている。今回は企画の手法のほか、リスクマネジメントにも触れてほしいという依頼をした。最初にリスクマネジメント講義を行ったが、本当はこれだけでも5時間はほしいのだと言う。当然のことである。午前中は簡単でちょっと危なっかしいゲームからはじまり、ハインリッヒの法則、なぜなぜ5回などの評価法を学んだ後、危険予知トレーニングでWSを行った。午後からは実際に企画の手法を学んだ。「思い」を「かたち」にするにはどのような手順を踏むべきなのか?「思い」から一気に「計画」に行くと独りよがりになってしまう。まずはマーケティングやポテンシャル分析をしっかり行い、そこからコンセプトを導き出し事業計画する。ここがWSの際に、熱くなりどうしてもおざなりになってしまう。そういう状態を何度か戻しながら、各班、立派な企画をつくることができた。

    

    

    

【3日目】

●講座5.体験プログラム考察1.「森林セラピー&ハーブクラフト」(2時間)

 講師: 木村道紘 (当会事務局長 森林インストラクター アロマテラピーアドバイザー 2級樹医など)

 講師: 櫻井幸枝 (白根高原ラベンダー園(SAKURAI菜花園)、びーがんかふぇ はぁとっぷるを経営)

以前当会が旅行会社に見積もりを提出した、夜間体験学習プログラム(320名、スキー修旅・高校生に対し)を実際にこの講座で実施。実施後はWS形式でこのプログラムを完成させる予定だった。2部構成としたPPT講座の第一部は「森林浴とフィトンチッド」。森林浴がなぜ良いと言われるのか、フィトンチッドとは…などを最近のEBM報告研究などを引用し紹介。そして当会の活動との関係性を検証。第二部は「アロマテラピーとハーブ」。後付されてきた脳、大脳は嗅脳からスタートした、だから嗅覚を刺激することで身体生理機能に影響を与えることができるとアロマテラピーでは考えられている。有用植物やハーブ、アロマをを上手に利用したり、高山植物の葉のように肌をピカピカにして紫外線や乾燥から身を守ろう!など、受講生は森林浴とアロマを関連づけさせる展開に感心していた。ここで、実際の地元ハーブ生産者として櫻井幸枝会員が登場。待ってましたとばかりにラベンダークラフト二種の作成を楽しむ。大いに会場は盛り上がり、体験は終了。その後2班に分かれて評価内容を限定したWSと発表。最後のまとめは各個人で静かにやってもらいおしまい。皆でまとめを分かち合う時間を取ってもらえず、フラストレーションをうったえた受講生もいたが、実施側としては作戦通り。なぜなら全ての企画を、分かち合った妥協案にしなくても良いと思っているからだ。実際には、企画は自らが歩み経験してきた人生背景を基に立案し花を咲かせるものであり、誰でも捻出することはできるものなのだ。分かち合わなくても各個人がしっかり内的要因、市場性、ねらい、効果等を分析し評価することができれば、次回は同じ素材を使って自分なりの企画を立てれる…という見方もあるのだ。

    

    


●講座6.体験プログラム考察1.「古代へタイムスリップ」(2時間)

 講師: SS

 講師: YO (登山家 山岳倶楽部あすなろ会会長 どんぐり山の会代表など)

二つ目の体験プログラム考察は、同じく旅行会社に提出した体験プログラム、勾玉作りと古代のお話をする「古代へタイムスリップ」。このプログラムを企画したSSさんの元々の案としては、古代の講義は考古学者にしてもらい、体験プログラムは当会会員が行う…という予定だったのだが、考古学者には「弥生時代の象徴である勾玉はおろか、弥生時代の形跡も発掘されていない嬬恋村で、そのような体験プログラムを私が受けるわけには行きません。」と言われてしまった。それで、SSさんがこの日のために自ら考古学を勉強しなおし、資料を用意し講義を行った。一方的に知識を与えるのではなく、なるべく子供たちとの対話を大事にしたいと考える住田会長は「あなたは、弥生時代はどんな生活だったと思いますか?」「あなたの考える弥生時代のイメージは?」と、参加者の考えを発言をさせる場を多く取りながら講義を進めていた。その後、勾玉作成キッドを配り、勾玉作りに挑戦。今回は作ることが目的ではないので5分間だけやって雰囲気を体感。ここから大島理事にバトンタッチ。WS形式でこの仮想体験プログラムを完成したものにするという課題が各班に与えられる。この頃になると、誰もが自分のアイデアを、自信を持って発言するようになっていた。前の講義で不完全燃焼だったせいもあってか、会場は最も賑やかな声で議論が交わされていた。主催側としては願っても無い展開。最後の発表では、踊りを取り入れたりファッションショーを行うなど、大変ユニークなプログラム案を聞くことができた。

    

    


●最終日の昼食

最終日はとても暖かい日で、みんなで外に出て一緒にお弁当を食べることができた。とてもいい昼食だった。


●講座7.嬬恋おもしろ近代史(2時間)

 講師: 下谷通 (1951年嬬恋村生まれ、嬬恋村観光商工課長)

以前から、下谷通観光商工課長は地元の歴史を調べつくしている…という噂は聞いていた。しかしリーダー養成講座の歴史の講義は嬬恋村郷土資料館名誉館長の松島榮治先生にしていただくのが恒例となっており、何か別の機会にと考えていた。今年からいよいよインストラクター養成講座を開講することになり、下谷課長に講義をお願いすることができた。公務で忙しいのに当会のために資料をつくって駆けつけてくださり、誠にありがたい限りである。ここ数年、愛妻の村で全国に紹介されることとなった嬬恋村。その嬬恋村の名前が生まれた理由はマスコミが騒いでいる内容だけではインタープリターとしては浅すぎる…。この地域を案内するのであれば知っておきたい、思わずうなずくような、嘘のような本当の近代史を閑話で紹介してくださった。その他、北白川宮による「吾妻農林牧場」、前橋刑務所と書かれた群馬坂・林道竣工記念碑、馬頭観音の話など、話の内容を挙げればキリが無いが、極めつけの話は浅間山でロケット開発が行われていた事実!?また、下谷課長の手書きの地図はとても上手。愛嬌もあって雰囲気が良い。お話の仕方も謎を解いていくような感じで、インタープリターにぴったり!このお方にはまだまだ教えていただきたいことが山ほどあるなと思った。

    

    


●講座8.木の家の話(2時間)

 講師: SY (一級建築士 東京の木で家をつくる会所属)

当会には、首都圏からたびたびイベントに参加してくださる方や、山ガイドは当会の誰々に必ず依頼する…というような顧客もいる。当会は地域においてすでに首都圏と農山村をつなぐ橋渡しの役割を果たしており、この勢いで地域の事が好になる→別荘を購入する→移住・永住する…というような形で仲間が増えていくとしたら、大変にうれしい限りである。本講座の最後は、古くから木の家を推奨している、当会のSYさんに住まいのあり方について講義していただき、講座を締めていただいた。「この地域には、非常に特徴のある木の家があります。これからは、山ガイドの帰りに見えるそんな木の家のことを、ぜひお客様に紹介してあげてほしい。」とスタート。今回覚えてほしいキーワードとして第一部【吾妻地域の木の住まい】では「せがい(出し桁)造り」「茅葺と石置き屋根」「信州型と新潟型」「地産地消」を挙げ、第二部【木の家の現代的な意味】では「木の持続可能性」「木の心地よさ」「LCAによる木の評価(ライフサイクルアセスメント)」を挙げた。この講座は、身近で生活に欠かせない家の講座であり、参加者の食いつきは最もよく、アンケート集計結果を見ても非常に人気が高かった。家は地域そのものを表しており、地域の古い木の家を紹介することができたなら、地域の暮らしを、歴史をインタープリテーションすることになる。最後を飾るにふさわしい講義となった。

    

    


≪担当者所感≫

当会でインタープリター養成講座を開講して4年。計5回の実施で89名のインタープリター・リーダーを輩出している。今回、インストラクター養成講座を実施したことにより、これまでのインタープリター養成講座は、今年度より本来の名称であるリーダー養成講座と名称を変えることになる。リーダー養成講座の上位の講座としてインストラクター養成講座は位置している。

5年前、当会曙の頃、自然体験イベントを企画立案できる者がいないどころか、インタープリターそのものの人数も揃わなかった。言うだけの者ばかりでやる者がいなかった。このままではいけない、どうにかしなくてはとCONEシステムを導入し、「インタープリター養成講座をスタートさせたい、この地域でインタープリターとして活動していくためのスキルとハードルは、私たちが自らの手で作り上げて行こう」と騒ぎ立て、このプロジェクトを『Project CONE』と名づけた。しかし思いのほか、その感覚はあまり受け入れられず、「俺たちがいいって思えばいいじゃねえか」と開き直られたりもした。しかしそう言っていた先輩方で現在でも自然案内人を継続している方はどうもいないようだし、当時インタープリター養成講座を激しく反対していた人も、しばらく見ないうちに別の地域で似たような資格を取っているようである。

しかし、この地域でインタープリターとして活動するのなら、この地域で活躍していたり、関わっている人物の指導を受けた方が当然良いに決まっている。植物学者としてインタープリテーションする、火山学者としてインタープリテーションする、またはテクニカルな技術や絶妙のファシリテーションを行う…それはそれで大いに結構なことで、私たちも常に研鑽しなくてはならないのだが、地球の現象を人に解説することよりも、演出やエンターテイメントでゲストを沸かすことよりも、地域への訪問者と地域をつなぐという歩み方を私たちは選択したいと思っている。これは、観光の村である嬬恋に住んでいる私たちならではの感覚でもあろう。また、下手に演出をしすぎて地域を疲労させたくはないし、地域も私たちに過剰な期待や重荷は与えないでほしいと思う。毛無峠に今日吹く風は、明日も同じように吹いていてほしいし、今井の田の神様に注ぐ日の光は、毎日菅峰からゆっくりと上ってきてほしい。そして私たちが気まぐれに嬬恋以外の地域で活動をしていても、のんびり眺めていてほしいのである。実際、のんびり眺めていてくださっている。

今回の受講生の中には、嬬恋村と特に縁があるわけではない方もいた。その方は嬬恋村専門のガイドさんになりたくて来ているわけではなく、地域案内人としての人材を育成しようとする当会の講座プログラムを学び、体験しに来ているのである。地元との連携やお付き合いの仕方、地元への浸透状況…こういったことも、恐らくじっくり観察されていたに違いない(笑)。当会を応援してくださっている熊川栄村長を始め、役場の方々、地元の方々に敬意を表明します。

そう考えると、最後から2番目の講座が下谷通観光商工課長の「嬬恋おもしろ近代史」であったこと、そして最後がSYさんの「木の家講座」で、吾妻地域の木の家を、地域の暮らしぶりをインタープリテーションしてほしい、家は地域の文化と歴史を表しているから…という講義で締め括ったことは非常に良かったと思う。(但し、バトンタッチとしては全ての講座がうまく繋がっていた。)来訪者に地域を案内することで地域を好きになってもらい、やがては移住永住してもらう…観光地では実際に「おいでおいで」と言われるがままに移住すると現地ではライバル、商売敵になってしまい、態度が豹変されてしまうこともあるという。その点では、当会は損得なしに遊び仲間、同志が一人増えるだけなので、いくらでも「おいでおいで」と言いたいところである。

この講座で受講者は、「日帰りで10人程度の人数を定められた野外フィールドを使いインタープリテーションをすることができる」リーダーという立場から、「いくつかの野外フィールドを使ってそれぞれの環境に合ったインタープリテーションをすることができ、雨天の際に室内でインタープリテーションすることができる。」

という立場のインストラクターになった。リーダーは自分の得意なフィールド、仮に一箇所でしかインタープリテーションできなくても構わなかったわけだが、インストラクターは自分の得意とする一箇所だけではなく、さまざまなフィールドで、その環境や、依頼先の要望、年齢層、体力などを考慮して、状況に見合ったインタープリテーションを行わなくてはならない。さらには、野外だけではなく、室内でも自分なりのインタープリテーション技術やネタを持たなくてはならない。そういう人材を養成またはトレーニングする講座に23名が集まったのだ。このペースならば、5年以内にコーディネーター養成講座の開講も可能であろう。

自分の地域でこの講座を受講した人が今や23人もいると思うと、これからが楽しみで仕方がない。これからどんなイベント企画案が出されるのだろうか!? また、同志の中には離れたところで活動することになる方もいるが、当会の「訪問者に対し、好きな自分の地域を案内する」というインタープリテーションスタイルを、自分の地域に持ち帰り、ぜひ当会イズムを伝播して行ってほしい。そして、次のイベントでの再会を、楽しみにお待ちしています。


平成20年11月15日  嬬恋村インタープリター会 事務局長 木村道紘

インタープリターインストラクター養成講座2008 実施報告書PDFファイルはこちら

 

※この事業は終了しました。同様の講座は 浅間・吾妻エコツーリズム協会 で、

エコツアーガイド養成講座 として実施しています。

 

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