インタープリター・リーダー養成講座 in 北軽井沢

〜 伝えたいこと、見せたいもの 〜

※CONEリーダー認定事業

 

※この事業は終了しました。同様の講座は 浅間・吾妻エコツーリズム協会 で、

エコツアーガイド養成講座 として実施しています。

 

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昨年のインタープリター養成講座の様子 インタープリターとは、解説者・通訳者という意味です。野外でこの言葉を使う場合、自然解説者とか自然案内人として使われています。自然は多くの事柄を私たちに語りかけていますが、それらはいわゆる言葉や文字ではないものです。そんな自然からのメッセージを、皆様方に解りやすくお伝えし、楽しく安全に野外へとご案内するのが、インタープリターです。
 この機会に、あなたもインタープリターになってみませんか。観光事業者の方はお客様への良きサービスのために。ご家族やご友人に身近な自然を紹介するために。ウォーキング、トレッキング仲間を増やしもっと人生を楽しむために。そして何よりもこの美しい浅間山麓の風景を(次の世代に)引き継いでいくために。
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日 程 平成20年8月8日(金)〜10日(日) 午前8時から午後6時30分 雨天決行
会 場 北軽井沢 照月湖 アラビアンホースランチ 湯沢 (宿泊ではなく、通いです。)
   377-1412 群馬県吾妻郡長野原町大字北軽井沢20032-1069
   場所はマピオンの地図へ
   TEL:0279-84-6337 FAX:0279-84-6339
対 象 浅間山麓の自然を愛する16歳以上の自然案内、野外活動に興味のある健康な男女
募集人数 35名(先着順)
講師と
講座内容
 
8日 午前 消防署長野原分署
安全対策(1)普通救命講習
午後 国田裕子 対象となる参加者の事を知る、ネイチャーゲーム、自然体験活動の理念
午後 小林勝三 安全対策(2)現場の応急手当術
9日 午前 唐沢孝一 自然の理解
午後 笛木京子 自然体験活動の基礎技術、指導法、プログラムの作り方
10日 午前 松島榮治 人と自然、文化の関わり
午後 加辺敬子 実践北軽井沢の自然ガイド術
午後 YO 基礎登山講座
参加費 嬬恋村インタープリター会員¥9,000、非会員¥12,000
※キャンセル料は、一人¥2,000とします。差額から振込み手数料を差引いた分を銀行振り込みにて返金します。
持ち物 各人の昼食(お弁当)、筆記用具、バインダー、野外活動ができる服装・靴、三角巾(なければ代わりのふろしきなど)、あれば自然観察用具、雨具など
保 険 ボランティア保険に加入
申込方法 1.氏名、2.住所、3.性別、4.生年月日、5.電話番号、6.職業をご明記の上、FAXまたはEメールにて以下に申し込み、銀行口座に参加費をお振込みください。ご入金を確認後、当会より申し込み請書及び案内書を発送いたします。

申込先 〒377-1528 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣万座温泉2401 万座温泉日進舘内 嬬恋村インタープリター会事務局 木村道紘まで
TEL&FAX:0279-97-1216 携帯080-5655-3009 Eメールはこちら
銀行口座 群馬銀行嬬恋支店 普通預金口座 463369 名義 スミダ セツコ
申込〆切 平成20年8月4日(月)
主  催 嬬恋村インタープリター会
共  催 北軽井沢観光協会、嬬恋村観光協会、オーライ!ニッポン会議
後  援 群馬県、嬬恋村、長野原町
協  力 吾妻広域西部消防署長野原分署
※インタープリター・リーダー養成講座2008 in 北軽井沢 詳細はこちらをご覧ください。


嬬恋村インタープリター会

インタープリター養成講座を実施


嬬恋村インタープリター会のインタープリター(自然観察・解説員)養成講座が8月8日から10日の3日間、「北軽井沢照月湖アラビアン・ホース・ランチ湯沢」を会場に実施された。これには、県内外から自然観察や野外活動などに関心をもち、今後の活動につなげていきたいという人たち15人が受講。自然体験活動や登山講座、さらに「自然の理解」「人と自然、文化の関わり」、安全対策、普通救命術まで多岐にわたって専門家の講習を受けながら、研さんに励んだ。


≪1日目≫  ※第1日目、2日目は山口岩美会員が報告します。

会長あいさつ 養成講座の開講に当たって、インタープリター会会長、嬬恋村 観光商工課 の下谷通課長があいさつ。このうち会長は「温暖化などの異常気象が実感される昨今、講座で学んだことを、環境保護、自然保護の活動にも生かしていってほしい」などと語った。


 普通救命講習・AEDの扱い 吾妻広域消防本部長野原分署から救急隊員が出席し、安全対策?として普通救命講習・AED(自動体外式除細動器)の使用法等を講習。参加者は手順に従って人工呼吸など心肺蘇生法を学んだ後、AEDを使って実技研修を行った。



現場の応急手当術 長年海上自衛隊の衛生科隊員として現場で活躍した経験を持つ本会副会長の小林勝三さんが担当、安全対策?として実際の応急手当術について研修を行った。ここでは、参加者どうしがペアを組み、小林さんの指導を受けながら、止血法、脱臼・捻挫の場合の処置、三角巾、包帯の使い方、テーピングなどを体験実習した。



対象となる参加者のことを知る 自然体験活動の理念 CONE(自然体験活動推進協議会)トレーナーで、日本ネイチャーゲーム協会公認トレーナーの国田裕子さんが自然体験活動などについて指導。まず「対象となる参加者のことを知る」ため、参加者は野外の出て自然と触れあいながらネイチャーゲームを楽しんだ。このあと教室において自然体験活動の理念について講義を受けた。

≪2日目≫

自然の理解 自然観察大学副学長で、都市鳥の生態研究に取り組む、都市鳥研究会代表の唐沢孝一氏が「自然の理解」ということについて講義。カラスやツバメ、さらにハチなど虫の生態について語り、今や都市のみならず自然環境は悪化の一途をたどっていると指摘。鳥を探そうとすれば、鳥の眼になってその環境を見ることができる。生き物の視点に立てば、同じ環境でもまったく異なる世界が広がるとし、自然保護、環境保護の大切さを訴えた。


自然体験活動の基礎知識・指導法 プリグラムの作り方 環境カウンセラーで環境教育プログラム上級指導員などを務める笛木京子さんは、ネイチャーゲームなどフィールドでの実技を交えながら、自然体験をこどもたちと一緒に楽しむために、指導者としてどのような心構えが必要かなどを確認。実際にプログラムを作り、それを発表し、評価しあうなど、白熱した議論が繰り広げられた。

(※ここまでは山口岩美会員が作成報告しました。)

(※ここからは木村道紘理事が報告いたします。)

≪3日目≫

● 人と自然、社会、文化のかかわり(3時間) 北軽井沢の自然と文化(要旨)

講師:松島栄治

プロフィール : 考古学者 元嬬恋村郷土資料館館長 群馬県文化財保護審議会会長 鎌原村発掘調査など

今年も、嬬恋が誇るミスターインタープリター、松島先生にご登場いただいた。事務局サイドでは浅間北麓広域での歴史と文化をご紹介いただければと考えていたのだが、講義内容を開催地の北軽井沢に絞り込んだ上で、こと細やかに歴史や自然環境をお調べになり、講義を準備してくださった。全くありがたいことであった。今年の大まかなレジュメは以下の通り。

(1)、はじめに
 1、北軽井沢の自然  2、北軽井沢の文化財

(2)、北軽井沢について
 1、北軽井沢の誕生  2、北軽井沢へのあゆみ

(3)、修験道と万座山
 1、交通の要所  2、狩宿宿について  3、草津道と北軽井沢地区

(4)、明治以後の北軽井沢地区
 1、産業開発  2、観光開発  3、戦後の入植・開拓

(5)、おわりに

● 実践北軽井沢の自然ガイド術(2時間)  講師:加辺敬子

プロフィール : 1951年生まれ、長野原町在住。愛鳥教室ミヤマホオジロ主宰http://www4.ocn.ne.jp/~melting/index.html

講師の加辺先生は、地元・北軽井沢を中心に長年、子供たちを対象に自然観察会を開催してきた人物。解説の際に抱えたバッグから出てくるのはリス、ムササビ、セミ、動物の食痕くらいは当たり前。決して小さくないコナラの植木鉢が出てきた時はビックリ!参加者に北軽井沢の名インタープリターを紹介することができて主催側としてうれしい限りであった。この巧みな話術とゼスチャー、そして自然を見る確かな眼で地域の子供たちを指導してきてくださったのかと思うと、頭の下がる思いである。また、「カザッチョ君のカザッチョクイズー!」など、子供相手の際の注目の集め方、見せ伝える手法を披露してくださった。クイズは子供には食い付きが良いし、大変参考になる手法であった。

● 登山基礎講座(2時間)  講師:YO

プロフィール : 登山家 山岳倶楽部あすなろ会会長 どんぐり山の会代表など

当会は、浅間山、四阿山、草津白根山などの日本百名山三山の麓に位置しているため、当会へのインタープリターション依頼の現状は、ほとんどが登山ガイドである。当会の受託事業を全て取り仕切るYO理事に、本講座の最後を締めてもらった。参加者の中には実践者もいたが、この講義は実践者に対しても十分な復習・確認になる内容であり、当会がどの程度の安全指導を行っているかを紹介することができる。最後の講義なので受講者は疲れて居眠りするかと思いきや、YO理事の人を引き付ける人間力と、受講者の山への熱意があってか、皆さん最後まで持ちこたえてくれたようだ。


★今回の講座で15名が新たに嬬恋村インタープリター・リーダーの資格を取得し、小林副会長の点呼の下、会長から認定証が授与された。これで当会が認める21時間のインタープリター・リーダー養成講座を受講した人数は89名(内退会者10名)となり、CONE登録者は合計46名となった。



★初日に、嬬恋村の下谷通観光商工課長が来賓として御臨席くださり、激励のお言葉を頂戴いたしました。誠にありがとうございました。



★受講者から、「是が非でも自己紹介の時間をつくってほしい」との要望があり、3日目の昼食時間を利用して受講者同士の自己紹介を行なった。発案してくださった宮崎様、お手伝いしてくださった齋梧様、本当にありがとうございました。



《担当者所感》

当会のインタープリター・リーダー養成講座も4年目で5回目の実施である。嬬恋村村民からして村にインタープリター会という自然案内保護啓蒙の団体があるということは、インターネット利用者ならさすがに知っているであろうし、インタープリテーション・ネイチャーガイド等を実践している人も、騒がしく活動している当会の噂を聞かないはずは無い。そのように地域社会において認知されている状況であっても、人口1万人ほどの本村では、これまでのスピードで新たな自然案内人を発掘開拓するのが難しくなってきた。嬬恋村在住者の会員申込みが伸び悩んでいる中、最近は周辺の市町村の方の会員申込みの割合がずいぶん増えてきている。また、近年の養成講座でも、嬬恋村在住者よりも外からの申込み数のほうが多い傾向であるため、会場を嬬恋村に固執せずに、今年はいよいよ嬬恋村以外での会場実施に踏み切った。また、毎年11月に行っていた本講座を、別荘利用者が増える8月に行うことで、さらに別荘利用者の申し込みが増える期待を持っていた。

そのような背景と、ユニ・プランニングの渡辺義夫様との出会いがあり、会場は「長野原町北軽井沢」で行うことになった。本事業に補助金がつかなくなった今年度からは宣伝集客力がとても大事。その上で、軽井沢という名前の下で行えた本講座は、非常に宣伝効果があったと思われる。昨年よりも宣伝期間は少なかったものの、当初21名の申込みがあり、6名のキャンセルが出て最終では15名での講座実施となった。

当会には周辺の市町村はおろか、全国から自然案内人が集まってきた。いよいよ当会に新たな使命が生まれつつあることを実感している。嬬恋村の自然歴史伝統文化等を案内保護啓蒙するはずの当会の基本理念・会則第2条であるが、そこに固執してしまったら村外の会員たちはどうなってしまうのか。どのように活動すればいいか解っているのに、熱血の志があるにもかかわらず、活動の場を制限されてしまうだろう。当たり前のことだが、そんなことは当会の本意ではない。各地域において、伸び伸びと自分なりの手法・スタイルを持って人様を自然の懐の中にご案内してほしい。自然はいつだって、あなたの訪問を、あなたが誰かを連れてくるのを待っているのだから。

また、環境保護的にも身体のバイオリズムから言っても、わざわざ車で長時間移動した先でインタープリテーションすることはないだろう。マクロバイオティックの言葉に「身土不二(身と土は2つにあらず)」というのがある。私達の身体と大地という環境は一体となっているという意味である。昔の人が言ったように「一里四方」で生活を。天空の城ラピュタでも女王シータはこう言いました。「土から離れては生きられないのよ!」と。

とすれば、村外の会員の方々の取るべきインタープリテーションスタイルが見えてくる。自分の生活地域のインタープリテーションを最も得意とするべし。そして自分の暮らしからインタープリテーションを。さらに目標は、地域が持続可能な発展の道を歩んでいくためのメッセージとなるインタープリテーションであろう。インタープリターと名乗った時点で私たちは解説者、メッセンジャー、そして地域の広告塔なのだから。

今回の講座は、オープニングに失敗してしまったせいもあり、受講者から当会及び講座のホスピタリティ精神に異議を唱える声まで上がった。しかしそのおかげで途中に自己紹介を取り入れることができた。今後自己紹介タイムはできれば1日目の終了時、もしくは2日目の朝に行いたいと考えている。当会の“ミスターホスピタリティ”であった故伊藤さんのゆかりの地であるこの長野原町で、そのような声が上がり、その声を受け入れることができたのは彼の思惑が働いたのではなかったのか。今頃天国でしめしめと笑っているに違いない。

担当者としては、もう一度、この長野原町で実施したいと考えている。一年で移動しては、周知宣伝の上でもったいないし、平日や閑散期に実施することでどれだけ旅行業・宿泊業などの観光に関わる方々が参加できるのかもまだ試していない。

そして、嬬恋村住民が「愛する嬬恋村のために」と参加していただけるのはもちろんありがたいことであるが、これからは村外の方々が「愛する私の地域のために」と参加できる受け入れ体制環境も整備していきたい。そういうことは、狭義の枠組みや縦割りの組織にとらわれない当会、自分と違った個性や考え方は豊かさの現れであるとしなやかに享受できる当会、そして「地域」を第一に考える当会だからこそ可能なのではないだろうか。

事務局は夢を描いています。あと何年後に草津町で開催できるだろうか、軽井沢町ではいつ頃できるだろうか、西吾妻インタープリター会という名前と上信越高原インタープリター会、どちらが良いだろうか。NPO法人と株式会社、どちらが運営しやすく会員のためになるのだろうか、と。

しかしまずは、このインタープリター養成講座で、近く予定しているインタープリター・インストラクター養成講座を成功させ、やがてはインタープリター・コーディネーター養成講座を開講し、さらにはインタープリター・トレーナーを輩出したいと思います。そして旅先では地元のインタープリターによるインタープリテーションを楽しんだり、地域の子供たちに地球のことを深く思うことができるようにインタープリテーションしたり、悪い大人たちが持続可能な発展にならない事業をしたり、そういった事業に投資をしてしまわないようにインタープリテーションすることが、気負わず普通に、伸び伸びとできるような社会に、そして誰かのインタープリテーションを受けることが楽しみの一つとなるようなライフスタイルをみんなが持つような社会の実現を、目指して行きたいと思います。

平成20年8月13日  嬬恋村インタープリター会 事務局長 木村道紘

インタープリター・リーダー養成講座2008 in 北軽井沢 実施報告PDFファイルはこちら

 

※この事業は終了しました。同様の講座は 浅間・吾妻エコツーリズム協会 で、

エコツアーガイド養成講座 として実施しています。


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