平成18年に文化財に指定された北軽井沢駅。ここから出発しました。
線路があったところはすでに藪が多く、歩くのが困難なところもあります。
途中の二度上駅の駅舎跡です。
ここにはスイッチバックがありました。 |
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半世紀ぶりの復活運転となる草軽電鉄の臨時快速「インタープリター1号」は定刻9時20分に北軽井沢駅を発車.次の停車駅は栗平だが,ほぼ平坦線のため,県道との並走区間を快調に飛ばす.時々連結器が外れて,乗客9名の客車を残したまま,機関車だけが100メートルも先に行ってしまうハプニングも見受けられたが,運転事故には至らず.
静かな大学村別荘地の中を通るときは,クルマと出会わないのでホッとする.
栗平駅の傍には社宅が残っており,元鉄道員の家族が住んでおられる.
列車は県道を迂回して小矢沢橋梁に到着.両岸に鎮座する橋台は,安山岩を切出した角材を丁寧に積み重ねて作られている.近頃の若者が愛用しているコンクリート橋とは品格が違う.
この先,サミットの国境平駅まで連続上りこう配が続き,途中にはスイッチバック式の二度上駅が設けられている.残念ながら,崖崩れで不通になっており,いったん北軽井沢駅に引き返し,国境平駅から二度上駅に向かう変則ダイヤがとられた.
浅間牧場で昼食を摂りながら,乗客M氏持参のポータブルDVD「鉄路の轍(草軽電鉄)」を鑑賞.
二度上駅までの線路状態は芳しくなく,薮こぎや倒木くぐりの徐行区間が残っている.が,乗客の方はそれを楽しんでいるフシがある.聞いてみると,全員が本会の会員と判り納得.
発車前に配布した資料の中に,地形図を使ったクイズを入れてみたが,全員が正解.会員にはやさしすぎたか.ここが草軽電鉄だったという頭の中のイメージがなければ,何の変哲もないハイキングだったかも知れないが,沿線の草花や野鳥について,多くの乗客から解説して頂くことにより,有意義かつ楽しい旅となった.
終着国境平駅には16時08分に到着.定刻よりも8分延だが,これは山菜採りで臨時停車したため.
なお,車掌携行の列車保安器具(救急用品とクマ撃退機)は一度も使わなかったことを付記しておく.
2009年5月11日 文責 宮川富士夫
写真提供 安田滋
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