芋掘りと取材(NHK)準備

− クロコプロジェクト −

2007年 9月26日

参加者:土屋会長、土屋(澄)、大島、大橋、木村、住田、黒岩(初)、赤坂(ゆ)、斉藤

2007年9月26日、実ったじゃがいもの収穫作業(芋掘り)を行いました。また、10月5日に黒岩時子さんへのNHK取材が決まったことで、その下取材(9月28日)の際に、クロコ原料となるじゃがいも搾り滓と、搾り汁に沈殿したでんぷんの様子をサンプルとして用意し、ご覧いただくことでよりクロコをご理解いただこうということになりました。その時の様子をお伝えいたします。

くず芋  芋の選別  芋を水洗いして

会長が近所の人からもらってきた、商品として出荷できないくず芋。クロコは本来、こういうものを使っていたのでしょう。この中から、腐れの無いものを選び、今日は摩ることにします。水洗いをして…

摩り下ろす  摩り下ろしたじゃがいも  水をかけながら搾る

芋は、皮のついたまますりおろします。ある程度たまったので、これからでんぷんの含まれた搾り汁を取る事にしました。まずは網を使い、押して搾ってみました。

しっかり搾って  搾り汁  黒岩勇一会員

ぎゅうっと搾った滓はクロコの原料になり、汁からはでんぷんを取り出します。ボールに溜まった搾り汁には白い泡がたっぷり浮いています。かつて吾妻川は、このでんぷん採取の時に発生した泡で白くなったらしいのです。

澄孝さんのトラックには、かつての芋すりおろし器が乗っていました!凄い、よくあったものです。このすりおろし器を、今年度は澄孝さんと土屋会長の大工コンビで復元する予定です。

すりおろし器銅版  え!これは枕カバーでは?  でんぷんを染み出させる

かつての芋すりおろし器の銅板の突起は非常に荒くなっています。この荒さが、皮のまますりおろす事ができる所以だと考えられます。ミキサーでやってしまうと、でんぷん採取の際などに皮が混入してしまう可能性があるからです。

そこに黒岩初男さんがやってきました。初男さんは、このやり方ではうまくないと強調しました。木綿の袋で搾らなくてはいけないのだと。…今回は、明後日の下取材用のサンプルを用意するだけなので、こだわらなくても良いのですが、土屋会長がこだわってしまったようです。木綿の袋を持ってきました!これにもう一度、滓と搾り汁を混ぜて入れ、でんぷんを搾り出すことにした。

ぎゅうぎゅう搾る  クロコの原料  搾り汁

男二人がかりでぎゅうぎゅう搾りました。この作業を本当は、水溜りに氷が張るころにやったというのですから、なんと辛いお仕事だったことでしょう。

この方法で出た搾り滓は、かなりでんぷんが残ってしまっているはずです。しかし、でんぷんを取る搾り汁のほうは不純物が少なくなり、でんぷん商品価値を選択するなら、後者のほうなのでしょうか?初男さんの話では、昔はこの赤みがなくなるまで搾ったと言います。

容器に移す  洗い中  芋堀りはじめ!

この搾り汁を、明後日見せるために透明な容器に入れました。芋に使った調理器具は、乾かないうちに洗っておきます。そうしないと汚れが取れなくなってしまいます。

では、前置きが長かったですが今日の仕事、芋掘りをしましょう。初男さんがプロの腰の使い方を披露してくれました。

どんどん掘る  キタアカリの収量が少ない  記念写真

芋掘りものってくると楽しいものです。あっという間に7列掘り終わってしまいました。これでも全部すりおろすのはかなり大変な作業になることでしょう。
収穫したのは手前から、アンデス、ワセシロ、キタアカリの3種。今日のメンバーで記念撮影ハイチーズ。

種からのジャガイモ  まだ花が咲いている  これがジャガイモの実

種から植えて育てているじゃがいもの方は、マルチのまま放って置いています。まだ花の咲いているものもあり、養分のいっぱい詰まっている芋からではなく種から育てると、このようにゆっくり育つのは普通なのかも知れません。そして、いくつも植えた中、一株だけがトマトのような実が成っていました!じゃがいもは1000年以上もイモから増やしていたので,種を作る能力が弱くなっているらしく、花が咲いても実がならないことがほとんどのようです。しかし、この、実生じゃがいもの一株だけ、実をつけてくれました。味見してみたいのですが、希少すぎて残念ながらそれは叶わないでしょう。これがジャガイモの実…

食いほおずき1  食いほおずき2  食いほおずき3

そして土屋会長の畑にある、たくさんの小さなほおずき。土屋澄孝さん曰く、「昔は必ずこれが畑の脇にあったんさあ。放っておいても、いくらでも増える強いやつでね、じゃがいもを掘りに行く頃には必ず実が落ちていて、これをつまんで食べながら芋掘りをしたんだよ。でもしばらく見なくなってしまっていたから、農薬には弱かったんだろうなあ。それが、最近、また見るようになったんだよ。食いほおずきって言うんさあ。」

食いほおずき!?これ食べるのですか?…食べてみたら、とても美味くて驚いてしまいました。これはじゃがいもと合わせて嬬恋村の特産にしないともったいありません。畦に転がっている食いほおずきをつまみながら、ジャガイモを掘るスタイル…なんというスローで美しい風景でしょうか。そのスタイルごと復活させたいと思いました。

食いほおずき4  搾り汁  澱粉が沈殿

土屋会長は、このくいほおずきを山で見つけて増やしたそうです。増えて増えて困るというので、皆、お土産に少し分けてもらいました。

さて、芋掘り作業前に容器に入れた搾り汁はどうなっているでしょうか?オッ、下にうっすらと…よし、これで明後日の下取材はばっちりOKです。皆さんお疲れさまでした。

この日の上毛新聞取材記事(2007.10.01

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